秋田県の空き家率ランキング【2026年版】全国・市町村の実態

秋田県の空き家率ランキング【2026年版】全国・市町村の実態 秋田県の統計データ

秋田県の空き家問題――全国ランキングで見えてくる「構造的な深刻さ」

総務省が5年ごとに実施する「住宅・土地統計調査」の令和5年(2023年)調査によると、全国の空き家数は約900万戸と過去最多を更新し、空き家率は13.8%に達しました。この数字が示す通り、空き家問題はいまや全国共通の課題ですが、都道府県ごとの深刻度には大きな格差があります。

人口減少が長年にわたって全国トップ水準で続いてきた秋田県では、住宅に「人が住まなくなる」速度が、取り壊しや活用の速度を大きく上回っています。この記事では、都道府県別ランキング表と秋田県内の市町村別状況を整理しながら、空き家増加の構造的要因と各自治体の対策の現状を確認していきます。

【データ利用上の注記】本記事が主に参照する総務省「令和5年住宅・土地統計調査」は、2024年4月公表の速報集計が基本です。都道府県別の確定値・順位は令和6年(2024年)9月以降に確報集計として公表されています。2026年時点で新たな住宅・土地統計調査(5年に1度実施)は未公表のため、本記事の統計的根拠は令和5年調査に基づいています。最新の確定値は総務省e-Statでご確認ください。

【都道府県別】空き家率ランキング(令和5年調査・速報集計)

以下の表は、総務省「令和5年(2023年)住宅・土地統計調査」速報集計をもとに作成した都道府県別空き家率の上位ランキングです。速報集計時点の公表値をもとにしており、確報集計で順位が変動する可能性があります。確定順位はe-Statの確報集計データでご確認ください。

順位(速報) 都道府県 空き家率(速報値) 備考
1位 山梨県 約23〜24%台 別荘等二次的住宅を含む
2位 長野県 約20〜21%台 同上
3位 和歌山県 約20%台
4位 徳島県 約19〜20%台
5位 高知県 約19%台
6位 愛媛県 約18〜19%台
7位 鹿児島県 約18%台
8位 香川県 約17〜18%台
9位 山口県 約17%台
10位 岡山県 約17%台
11〜15位グループ 秋田県(含む) 約15〜17%台と推定 ※確報値で要確認
参考 全国平均 13.8%

出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査(速報集計)」をもとに編集部作成。上位1〜10位の顔ぶれは過去調査からの継続傾向を参照。秋田県の具体的順位・空き家率の確定値は確報集計(e-Stat)でご確認ください。別荘等を含む二次的住宅が多い山梨・長野は率が高く出る点に留意が必要です。

このランキングから読み取れる重要な点が二つあります。第一に、空き家率上位を占めるのは四国・中国・九州など西日本の県が中心で、東北からは秋田県が主に入り込む構造になっています。第二に、山梨・長野が率として突出して高いのは別荘等の「二次的住宅」を多く抱えているためで、実質的な「使われていない空き家」の深刻度という観点では、東北・四国・九州の県の方が問題が根深い側面もあります。

秋田県の場合、別荘地を多く抱えているわけではなく、純粋に「住み手がいなくなった」住宅の積み上がりで空き家率が上昇しているという点が、他県と異なる深刻さを持っています。

秋田県の空き家率・推移(過去調査との比較)

秋田県の空き家率は過去の住宅・土地統計調査でも一貫して全国平均を上回る水準が記録されてきました。以下は公表された調査ごとの大まかな傾向です(具体的な数値は調査ごとに総務省e-Statで確認できます)。

調査年 全国空き家率 秋田県の状況
平成15年(2003年) 12.2% 全国平均をやや上回る水準
平成20年(2008年) 13.1% 全国平均を上回る傾向が継続
平成25年(2013年) 13.5% 全国平均を上回る(e-Statの確報値参照)
平成30年(2018年) 13.6% 上昇傾向が継続(e-Statの確報値参照)
令和5年(2023年) 13.8%(速報) さらなる上昇が見込まれる(確報値で要確認)

※秋田県の各調査確定値はe-Stat「住宅・土地統計調査」都道府県別集計でご確認ください。

注目すべきは「空き家数の絶対値」よりも「空き家率」の構造です。秋田県は総住宅数がもともと少なく、そこへ世帯数の急減が重なっています。分子(空き家数)がわずかに増えるだけで率が跳ね上がる仕組みになっており、人口減少が止まらない限り、この数字が下がる見通しは立っていません。

秋田県の空き家率ランキング【2026年版】全国・市町村の実態

【市町村別】秋田県内の空き家状況

住宅・土地統計調査は一定規模以上の市区町村(概ね人口1万5,000人以上)が主な集計対象のため、県内の小規模村落の正確な空き家率は各自治体が独自に実施する実態調査に依存します。以下の表は、公表されている情報をもとに傾向を整理したものです。具体的な数値の確定版は各市町村の公式発表・独自調査報告書をご確認ください。

市町村 規模・特徴 空き家の状況(傾向) 深刻度の目安
秋田市 県内最大都市 絶対数は県内最多。ただし住宅総数が多いため率は県平均近辺 ★★★
横手市 県南の中核市 農村集落部での空き家集積が進行 ★★★★
大館市 県北の中核市 旧市街地・集落部での老朽空き家が目立つ ★★★★
鹿角市 県北内陸部 中山間地集落での空き家率上昇が顕著 ★★★★
北秋田市 県中北部 旧産業集落の空き家化が深刻 ★★★★
男鹿市 沿岸部 旧漁業集落での空き家増加 ★★★★
にかほ市 県南沿岸部 沿岸集落の空き家集積 ★★★
上小阿仁村 人口数百人規模・山間部 高齢化率が全国最高水準。施設入所・死亡による住宅離脱が新規入居を大幅に上回る。空き家率20〜30%超の集落が存在する可能性 ★★★★★
藤里町 人口約2,000人・山間部 過疎化が加速。移住者受け入れに積極的な取り組みも ★★★★★
東成瀬村 人口約2,000人・山間部 小規模ながら自治体独自の移住施策を展開 ★★★★

※深刻度★は編集部の分析による相対評価(空き家率・人口減少速度・集落維持リスク等を総合)。具体的な空き家率の数値は各市町村の空き家実態調査報告書または総務省e-Statの確報集計データでご確認ください。

県内で特に注視すべきは、人口数百〜千人規模の山間部村落です。上小阿仁村は高齢化率が長年にわたって全国最高水準に位置しており、高齢者が施設入所や死去によって住宅を離れるペースが、新規入居者数を大きく上回っています。数字の問題というより、集落としての機能維持そのものが問われる段階に入っています。

一方で秋田市は、絶対数では県内最多の空き家を抱えながら、住宅総数が多いために率として見ると県平均付近に収まります。ただし、旧市街地の老朽木造住宅が集中するエリアでは、局地的に深刻な状態が生じています。

なぜ秋田県の空き家は増え続けるのか――3つの構造的な原因

①人口・世帯数の急減

空き家問題の根本にあるのは人口減少です。世帯数が減れば、その分だけ「住む人がいなくなる家」が増えます。秋田県の人口は2026年時点でも減少が続いており、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、この傾向が反転する見込みはありません。

②相続・管理問題の複雑化

親が亡くなっても子世代が都市に居住しているケースが多く、実家が「誰も住まない・売れない・壊せない」という状態に陥ります。木造一戸建ての解体費用は地域・規模にもよりますが一般的に数十万〜200万円前後とされており、資金的に動けない所有者が少なくありません。2024年4月に施行された相続登記の義務化は、所有者不明問題の解消に向けた一歩ですが、既存の放置空き家への即効性は限定的です。

③「解体しても売れない土地」問題

都市部と異なり、秋田県の多くの地域では土地需要がほとんどありません。更地にすると固定資産税の住宅用地特例(最大1/6減額)が外れて税負担が増えるため、老朽建物を残したまま放置するほうが所有者にとって税制上「得」になるという逆説的な構造が残っています。2023年施行の改正空家等対策特別措置法で「管理不全空き家」への勧告制度が強化され、勧告を受けた場合は住宅用地特例が適用除外となる改正がなされましたが、行政側の人員・予算制約から運用は緒についたばかりです。

秋田県・各市町村の空き家対策の現状(2025〜2026年時点)

空き家バンクの整備状況と課題

秋田県内のほぼすべての市町村が「空き家バンク」を整備し、移住・定住希望者への物件マッチングを進めています。移住支援金と組み合わせた補助制度を持つ自治体も複数あります(補助上限額・条件は自治体・年度によって異なるため、必ず各市町村の移住・定住担当窓口で最新情報を確認してください)。

ただし、バンクへの登録物件数と実際の成約件数の間には依然として大きな差があります。「登録されているが築50年超で水回りが使えない」「所有者が高齢で交渉が難しい」「そもそも登録に同意する所有者が少ない」といった課題は、多くの自治体担当者が共通して抱える問題です。2025〜2026年時点での成約件数の具体的な推移については、各市町村の移住・定住関連報告書や県の空き家対策進捗報告をご参照ください。

特定空き家・管理不全空き家への対応

倒壊の恐れがある「特定空き家」への行政代執行については、法整備が進んだ一方で費用回収の困難さから全国的に件数は限られています。改正法施行後の秋田県内自治体における行政代執行実績・勧告件数の具体的な数値は、各市町村の空き家対策計画進捗報告書で確認できます。除却費用の補助制度を設けている自治体も複数ありますが、補助率・上限額は自治体・年度ごとに異なるため、問い合わせ前に各市町村の公式ページを確認することを推奨します。

活用事例の芽

古民家・町家のリノベーションを通じた観光・宿泊・地域活動への転換事例も、秋田県内で少しずつ生まれています。仙北市の武家屋敷が残る角館エリアでの古民家再生は比較的知られた取り組みですが、個々の事例については施設名・規模・運営形態が異なるため、詳細は仙北市観光課または各施設への直接問い合わせをご確認ください。

大量の空き家を全部解体・更地化することは財政的にも現実的ではないため、活用できる物件を選別して使い続けること、使えない物件を安全に除却・自然還元すること、という二軸の戦略が不可欠です。

2025〜2026年の制度動向

2026年時点で押さえておくべき主要な制度変更と動向は以下の通りです。

  • 改正空家等対策特別措置法(2023年12月施行):「管理不全空き家」カテゴリの新設と住宅用地特例の適用除外規定の強化。自治体の勧告権限が拡充されました。
  • 相続登記の義務化(2024年4月施行):相続から3年以内の登記が義務化。違反した場合は10万円以下の過料。所有者不明土地・建物の新規発生を抑制する効果が期待されています。
  • 相続土地国庫帰属制度(2023年4月施行):一定の要件を満たす土地を国に帰属させる制度。農地・山林など需要のない土地の活用手段として注目されますが、審査要件が厳しく建物がある場合は対象外のため、空き家問題への直接的な効果は限定的です。
  • 2025〜2026年の施策進捗:各制度の運用実績(行政代執行件数・管理不全空き家への勧告件数・空き家バンク成約件数等)については、秋田県の「空き家対策計画」年次報告または市町村ごとの公表資料でご確認ください。

よくある質問

Q. 秋田県の空き家率は全国何位ですか?

令和5年(2023年)住宅・土地統計調査の速報集計をもとにした推定では、秋田県は全国平均(13.8%)を上回り、都道府県別で概ね10〜15位台(空き家率が高い側)に位置するとみられます。ただし速報値は暫定的なもので、確報集計では順位が変動する場合があります。確定順位および確定空き家率は総務省e-Stat「住宅・土地統計調査」都道府県別集計(確報)でご確認ください。なお上位1〜2位に位置する山梨・長野は別荘等の二次的住宅が多いためで、「住み手のいなくなった住宅」の比率という観点では秋田県の実態的な深刻さは高い位置にあります。

Q. 秋田県内で空き家率が特に高い市町村はどこですか?

住宅・土地統計調査の市区町村別集計は一定規模以上の自治体が対象のため、小規模村落の正確な率は各自治体の独自実態調査に依存します。傾向として、上小阿仁村・藤里町・東成瀬村といった人口数百〜2,000人規模の山間部自治体で空き家率が高くなりやすく、集落によっては空き家率が20〜30%を超える状況があるとみられます。また鹿角市・北秋田市・男鹿市など旧産業・旧漁業集落でも問題は深刻です。各市町村が公開している空き家実態調査報告書が最も詳細なデータ源になります。

Q. 秋田県で空き家を購入・活用する場合、補助制度はありますか?

県内ほぼ全市町村が空き家バンクを運営しており、移住者向けの改修費補助・解体費補助・移住支援金を組み合わせた制度を設けています。補助上限額・補助率・対象要件は自治体ごと・年度ごとに異なり、2026年時点では2025〜2026年度予算での変更が生じている可能性があります。最新の補助内容は必ず各市町村の移住・定住担当窓口に直接確認してください。秋田県の空き家バンク情報は、秋田県公式サイトの移住・定住関連ページからも市町村窓口へのリンクをたどることができます。

Q. 空き家を放置するとどうなりますか?

2023年施行の改正空家等対策特別措置法により、管理が不十分な「管理不全空き家」に対しては自治体から指導・勧告が行われます。勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例(最大1/6減額)が適用除外となり、税負担が増加します。さらに倒壊の恐れがある「特定空き家」に指定されると、命令・行政代執行(強制撤去)の対象になり得ます。2024年4月施行の相続登記義務化とあわせて、放置によるリスクは以前より格段に高まっています。

Q. 「2026年版」とありますが、データは最新ですか?

住宅・土地統計調査は5年ごとの実施で、最新公表は令和5年(2023年)調査(速報集計:2024年4月、確報集計:2024年9月以降順次公表)です。2026年時点では次回調査(令和10年予定)は未実施のため、統計的な基盤は令和5年調査になります。「2026年版」は、2025〜2026年時点の制度動向・法改正の反映という意味で使用しています。空き家率の数字そのものは令和5年調査が最新です。

まとめ

秋田県の空き家問題は、住宅政策の問題というより人口減少という構造変化の帰結です。都道府県別ランキングで全国平均を上回り続け、県内の山間部村落では集落維持そのものが問われる段階に来ています。

法整備は2023〜2024年にかけて大きく前進しました。改正空家等対策特別措置法による管理不全空き家への対応強化、相続登記の義務化、相続土地国庫帰属制度の施行と、制度面での手当てが重なっています。ただし制度があっても、運用には自治体の人員と予算が必要で、問題の発生速度に追いついていないのが現実です。

今後10年で重要になるのは、全ての空き家を救おうとするのではなく、活用できる物件・集落を選んで集中的に支援し、それ以外は安全な除却・自然還元へ誘導するという優先順位づけです。秋田県内で空き家の購入・活用・処分を検討している方は、まず市町村の空き家バンク窓口と補助制度の最新情報を確認するところから始めることをお勧めします。秋田県公式サイト(

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